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11月27日-02号

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  1. 和歌山市議会 2015-11-27
    11月27日-02号


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    平成27年 12月 定例会               平成27年        和歌山市議会12月定例会会議録 第2号          平成27年11月27日(金曜日)-----------------------------------議事日程第2号平成27年11月27日(金)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問-----------------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問丹羽直子君、永野裕久君、山野麻衣子君、中谷謙二君)-----------------------------------出席議員(37名)  1番  林 隆一君  2番  山野麻衣子君  3番  中村朝人君  4番  堀 良子君  5番  西風章世君  7番  永野裕久君  8番  中村元彦君  9番  浜田真輔君 10番  中谷謙二君 11番  丹羽直子君 12番  浦平美博君 13番  上田康二君 14番  吉本昌純君 15番  松坂美知子君 16番  姫田高宏君 17番  中塚 隆君 18番  薮 浩昭君 19番  奥山昭博君 20番  山本忠相君 21番  井上直樹君 22番  芝本和己君 23番  古川祐典君 24番  戸田正人君 25番  松井紀博君 26番  尾崎方哉君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  中尾友紀君 30番  松本哲郎君 31番  北野 均君 32番  山田好雄君 33番  野嶋広子君 34番  宇治田清治君 35番  寒川 篤君 36番  山本宏一君 37番  遠藤富士雄君 38番  佐伯誠章君欠席議員(1名)  6番  園内浩樹君-----------------------------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        荒竹宏之君 副市長        木村哲文君 市長公室長      富松 淳君 総務局長       川端康紀君 危機管理局長     宮原秀明君 財政局長       小林亮介君 市民環境局長     山本彰徳君 健康局長       立本 治君 福祉局長       辻 正義君 産業まちづくり局長  大西勉己君 建設局長       坂本安廣君 会計管理者      南 秀紀君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        原 一起君 教育局長       秋月敏尚君 消防局長       出口博一君 公営企業管理者    森井 均君 水道局長       山崎隆弘君 選挙管理委員会委員長 川端正展君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員長   水野八朗君-----------------------------------出席事務局職員 事務局長       尾崎順一 事務局副局長     中野光進 議事調査課長     中西 太 議事班長       藤井一成 調査班長       和田孝司 企画員        村井敏晃 企画員        竹下裕威 企画員        佐川恭士 事務主査       國定正幹 事務主査       北野統紀 事務副主任      平岡直樹-----------------------------------     午前10時00分開議 ○議長(尾崎方哉君) ただいまから本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(尾崎方哉君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   戸田正人君   井上直樹君   中尾友紀君 以上3人の諸君を指名します。----------------------------------- △日程第2 一般質問 ○議長(尾崎方哉君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 丹羽直子君。-11番。  〔11番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆11番(丹羽直子君) 皆様おはようございます。 けさは一気に気温が下がり、雪まじりの雨が降っていましたが、今は雨も上がり、日も差してきました。寒さに負けず、元気に私も一般質問させていただきます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、台湾友好訪問団のまずは報告をさせていただきます。 去る11月6日から11月9日までの間、台湾友好訪問のため、尾花市長を団長に、副団長の松井副議長、遠藤議員、寒川議員、戸田議員、井上議員、中塚議員、山本(忠)議員、私、そして随員6名と通訳1名の計16名で、台北市と台南市を訪問いたしました。 台湾との交流は、平成22年6月に台湾との友好、親善、文化交流を通じ、お互いの交流を深め、日台間における真の友好関係を構築することを目的に日台友好和歌山市議会議員連盟を設立して以来、平成24年以降、計3回、毎年議員連盟によります台湾友好訪問を行ってきましたが、今回の訪問は、尾花市長を団長とする初めての公式訪問となりました。 それでは、その概要を報告いたします。参考にお手元に資料を置かせていただいております。 11月6日、午前10時に関西国際空港からチャイナエアラインにて出発し、現地時間午後0時20分、予定どおり台北桃園国際空港に到着した後、まず、訪問団一行は、台北市政府文化局を表敬訪問いたしました。 まず初めに、文化局副局長の李麗珠(リー・リーツゥ)氏から、私は2013年11月に日台友好和歌山市議会議員連盟の議員の先生方が台北市を訪問されたときから交流活動にかかわっております。昨年の5月24日の紀州庵の開館記念式典に、平松様初め議員先生方も出席していただき、その式典に花を添えていただいたことに、まず感謝申し上げます。台北市と和歌山市の交流活動は、2013年にスタートして以来、毎年続いており、今後も尾花市長様初め議員先生方の御協力を得ながら、毎年、こうした文化交流が続いていくことを祈念いたしますとの歓迎の御挨拶をいただきました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から李麗珠副局長には、これまで和歌山市と台北市の紀州庵を通じた交流に御尽力いただき深く感謝申し上げます。今後も紀州庵との関係をさらに深めるとともに、和歌の浦アート・キューブを通じて、さらに交流を深められるきっかけとなることを期待していますと挨拶されました。 次に、松井副団長から、昨年、台北市を訪問した際のお約束をお守りいただき、昨年11月に李麗珠副局長が和歌山市に来られ、親交を深めることができました。今後、その際、見学されたわかやま電鉄貴志川線、当時はたま駅長でしたが、現在はニタマ駅長となって頑張っておりますので、さらに和歌山市の観光名所として盛り上げていきたいと思いますので、御協力をお願いしますと挨拶されました。 その後、李麗珠副局長、そして文化局の職員の方々も同行いただき、台北市政府庁舎内にあります台北探索館を視察し、台北市政府観光傳播局城市旅遊科長の王施佳(ワン・シチァ)氏から同施設について説明を受けました。 台北探索館は、台北市の古い町などをパネルや模型で展示し、台北での生活、文化、歴史的遺物などが紹介されており、日本の統治時代から現在に至るまでの日本とのかかわりについても知ることができる施設となっていました。 その夜、台北市内のレストランにおいて台北市政府文化局主催の懇親会が開催され、台北市政府文化局からは、文化局長の倪重華(ニ・ツォンホァ)氏、文化局副局長の李麗珠氏、文創発展科長の呉俊銘(ウ・チュンミン)氏、芸術発展科長の郭佩(クォ・ペイユ)氏、規劃師(きかくし)の沈亮儀(スン・リャンイ)氏が出席されました。 歓迎の挨拶で、倪重華局長から、昨年、紀州庵がオープンしましたが、今後もさまざまなイベントを開催していきたいと思います。また、皆様も御存じのとおり、台湾と日本は、長い歴史の背景を重ねていく中、今が一番仲のよい時期と言えます。私としては、少しでも若い世代の交流が図られるよう努力したいと思っています。今後は、観光やショッピングだけではなく、皆様からもアイデアをいただきながら、さまざまなイベントや活動を行うなど、さらに交流を深めていきましょうとの歓迎の御挨拶をいただき、引き続き、倪重華局長の乾杯の御発声で懇親会が始まりました。 その後、記念品の交換では、尾花団長、松井副団長から、倪重華局長、李麗珠副局長にそれぞれ記念品を贈呈し、また、日台友好和歌山市議会議員連盟遠藤会長からは、友好と書かれた記念の盾を倪重華局長に贈呈し、和やかな雰囲気の歓談の中、台湾でも映画監督として活躍されている倪重華局長から、日本と台湾の映画を通じた交流の話がされるなど、今後の両市の交流発展に向け活発な意見交換が行われました。 翌日、11月7日の午前中には、台北市文化局が管理しています文化施設紀州庵-文学森林を訪問しました。 紀州庵は、日本統治時代の1917年-大正6年に和歌山市出身の平松徳松氏が日本料理店として建てられたもので、3階建ての本館、貴賓室の別館、そして長屋形式の宴会広間離れがあり、当時は高級料亭として大層繁盛していたそうです。その後、太平洋戦争が勃発したことに伴い営業停止を余儀なくされ、そして、日本の敗戦に伴い平松家も台湾を離れることになり、その後は台湾省政府の職員の宿舎として使用されておりました。この職員宿舎は、作家の王文興(ワン・ウェンシン)先生の居住地になった時期もあり、王文興先生が書かれた台湾で大変有名な小説「家變(かへん)」の舞台にもなっています。 1990年代には、2度の火災に見舞われ、離れだけを残し、本館と別館は消失してしまいましたが、荒廃してきた建物跡地に茂っている古木を地元住民の方々が保護しようという森林保護の動きとともに、小説の舞台となっていることから文化的価値も高いということで、台北市政府は、2004年1月に紀州庵を古跡指定され、その後、台北市政府が10年かけて改修し、昨年5月24日にオープンされました。 今回、私は初めて、ビルや民家が建ち並ぶ一角に大きなガジュマルの木が繁る広大な芝生の土地に、約100年前、平松氏が開かれた高級料亭の離れとして再建された紀州庵を訪れました。その平家の何畳にも広がる畳部屋と長い廊下に古きよき懐かしい日本を思い起こし、情緒風情あふれる日本古来の奥ゆかしさが当時のまま再現され、少し汗ばんだ肌に昔住んでいた田舎の家と同じ香りを感じ、郷愁を覚えました。 また、紀州庵の中には、昨年の議員連盟による台湾友好訪問の際、贈呈しておりました紀州てまりが大切に展示されており、同じ敷地内の新館には、茶館-日本でいうところのカフェレストランがあり、書籍などの販売もされていました。 紀州庵では、11月7日から11月22日までの間、和歌山パネル展が開催され、和歌山市の偉人、先人や文化を紹介する22枚のパネルが展示されることになっており、当日、パネル展の開催に当たり記念品の贈呈式がありました。贈呈式では、まず、紀州庵館長の封徳屏(フゥン・ダーピン)氏から歓迎の御挨拶をいただき、続いて、李麗珠文化局副局長から、今後も紀州庵を台北市と和歌山市の交流の拠点とし、文化芸術の交流とともに、映画を通じた交流も図り、台北市と和歌山市の交流をさらに深めていきましょう。また、2年後の2017年は、紀州庵が開館してちょうど100年に当たりますので、その際には、尾花市長初め議員先生方もぜひ台北市にお越しくださいとの御挨拶がありました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から、和歌山市出身の平松徳松氏が建てられた日本料理店を10年もの歳月をかけて改修され、100年近くある歴史を紡いでいただいたことを大変光栄に思います。台北市民の皆様、また、文化局の皆様、そして封徳屏館長様には心から御礼申し上げます。今後、この紀州庵を通じて、台北市と和歌山市が文化交流をさらに深め、さらにきずなを深めていくことを心から願っています。また、2年後の5月24日には、ぜひ盛大に100周年の式典を迎えたいと思いますと挨拶されました。 また、松井副団長から、きょうは、このパネル展に和歌山が誇る特産品などを御紹介させていただいておりますので、ぜひこれを機会に和歌山に来ていただき、台北市と和歌山市の皆様がさらに交流を深められるよう祈念いたしますと挨拶されました。 続いて、和歌山市の伝統工芸品の紀州雛と瑞芝焼(ずいしやき)を尾花団長と松井副団長から李麗珠文化局副局長と封徳屏館長に贈呈し、紀州庵で展示していただくことになりました。 また、式典の際に、見学に訪れている現地の方が、パネルの写真に写っている葵の御紋を指して、何度も葵の御紋と言っていましたので、通訳の方を介して聞いてみると、和歌山に訪問したことがあり、その際に和歌山城に立ち寄ったとのことで、大変共感を覚えました。 さらに、紀州庵には、昨年の議員連盟による台湾友好訪問の際、新北市にある猴●(=石へんに同)(ホウトン)駅周辺の通称猫村を訪問させていただいたときに、お出迎えいただいた、猫夫人と呼ばれ、大変に有名な作家、写真家でいらっしゃる簡佩玲(ジェン・ペイリン)氏も駆けつけていただきました。また、昨年、紀州庵を訪問した際にお世話になりました職員さんもお越しいただくなど、これまで台湾を訪問された先輩議員と旧交を温められておりました。 その後、紀州庵の建物の前で、尾花団長、松井副団長初め私たち議員も全員、紀州おどりや和歌山市議会のはっぴを羽織って、和歌山市の特産品の展示や配布を行い、また、来館者に観光パンフレット等も配布するなど、和歌山市のPR活動を行いました。 午後からは、台北市観光協会日本組組長の戚國福(チ・コーフ)氏の案内のもと、第23回台北国際旅行博を視察いたしました。旅行博は、台湾観光協会が毎年開催する台湾最大級旅行博覧会で、昨年は60以上の国と地域が1,450のブースを設け、約34万人の来場者があったとのことです。この日も多くの来場者で大変混雑しており、会場には、日本からも南海電気鉄道株式会社や富山魚津市、栃木足利市などの地方自治体からも出展しており、積極的に観光PRが行われ、多くの人でにぎわっておりました。 その後、台北市の郊外にあります台北市政府文化局が管理している施設、北投温泉博物館を視察し、館長の鐘兆佳(ツォン・ヤオチァ)氏から同施設について説明をいただきました。 北投温泉は、日本人が最初に温泉旅館を開いたところで、この博物館は、日本の統治時代の1913年に建築された公共浴場が利用されており、和洋折衷の美しい建造物で、館内には北投温泉の歴史をテーマとした展示コーナーレストラン、台湾映画のミニシアターなどもあり、日本との深いつながりが伺える場所でした。 その夜、外交部亜東太平洋司亜東関係協会主催の懇親会が開催され、協会からは、総領事の李明宗(リ・ミンツォン)氏、副参事の李世丙(リ・スーピン)氏、経済組組長の蔡偉淦(ツァイ・ウェイガン)氏、日本文教事務科の呉承翰(ウ・ツェンハン)氏が出席されました。 まず、李明宗総領事から、和歌山市議会日台友好和歌山市議会議員連盟議員先生方は、2013年以降、台湾の各地方議会とも交流を重ねてこられ、今回は、台南市議会との交流も予定されているとのことで、お互いの地方議会の交流が図られることで、より友好関係が深まるなど、台湾と日本の親善交流に大変寄与していただいていることに感謝を申し上げます。今後も皆様の御協力のもと、台湾と日本の関係が発展することを祈念いたしますとの歓迎の御挨拶をいただきました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から、これからさらに台湾と日本の地方と地方が直接良好な関係を保つことで、よりきずなを深めていくことが大事ではないかと考えていますので、今後とも亜東関係協会の皆様とともに台湾と日本の関係のきずなをさらに深めてまいりましょうと挨拶されました。 次に、松井副団長から、乾杯の御発声に先立ち、台湾を訪問した際にいつも温かく歓迎していただく亜東関係協会の皆様に感謝申し上げます。また、ことし亜東関係協会の元会長でおられる許水徳(キョ・スイトク)氏が旭日大綬章を受章されましたことについて、その御功績に心から敬意をあらわしますと挨拶された後、松井副団長の乾杯の御発声で懇親会が始まり、和やかな雰囲気の中、歓談が行われ、記念品の交換では、尾花団長、松井副団長から、李明宗氏にそれぞれ記念品を贈呈し、また、日台友好和歌山市議会議員連盟遠藤会長からは、友好と書かれた記念の盾を贈呈いたしました。 その後、中締めの挨拶が遠藤会長からあり、日台友好和歌山市議会議員連盟を設立して以来、議会が主導となった台湾との友好交流を進めてまいりましたが、今回、尾花市長を団長とする初の公式訪問として、尾花市長が私たち議員と一緒に訪問されたことは、まことに意義のある訪問となりました。今後は、和歌山市と和歌山市議会が両輪となって台湾との友好を推し進めてまいりたいと思いますと挨拶され、懇親会は終了いたしました。 3日目の11月8日は、午前中、日本の新幹線の車両技術が使用されている台湾新幹線で台北駅から嘉義駅まで移動いたしました。新幹線で移動する途中、台中市を過ぎたあたりから、車窓から見える風景は、台北の都会の喧騒とは異なり、あたり一面、広い広い平野と青々とした田畑が広がっていました。 午後から台南市にある烏山頭(ウサントウ)ダムを視察し、台南市政府の職員の方々も同行して、烏山頭ダムの職員の方から現地を案内していただきました。 烏山頭ダムは、日本人技師の八田與一氏が工事を指揮し、台湾で不毛の大地と呼ばれていた嘉南平原に、堰堤長1,273メートルという当時では東洋一の規模である烏山頭ダムと総延長1万6,000キロメートルに及ぶ水路を完成させました。その結果、嘉南平原は、台湾最大の穀倉地帯に変わったとのことです。 八田氏は1886年、金沢市に生まれ、東京帝国大学を卒業後、24歳のときに台湾総督府内務局土木課の技手として勤められ、その後、1920年から10年の歳月をかけて烏山頭ダムを完成されました。しかし、八田氏は太平洋戦争の最中の1942年、陸軍の命令によって、フィリピンにかんがい調査に向かう途中、五島列島付近で、乗っていた船がアメリカ海軍の潜水艦に会い、撃沈され、この世を去りました。その3年後、戦争に敗れた日本人は1人残らず台湾を去らなければならなくなり、烏山頭に疎開していた妻の外代樹さんは、ほかの疎開先から戻ってきた子息と会った日の深夜に、夫が心血を注いだ烏山頭ダムの放水口に身を投げて後を追ったとのことであります。 当地には、ダムを一望できる高台に八田氏の銅像が建立されていますが、本来、銅像といえば人物が立っている銅像を思い浮かべると思いますが、八田氏御本人の意向を酌み、銅像は威圧的な立像ではなく、八田氏が工事中に腰をおろして熟考している様子を模して、美しいエメラルドグリーンの湖面を眺めるように設置されておりました。 また、八田技師記念室という記念館も建てられ、当時の写真や資料などが展示されており、さらに当時の八田氏の邸宅が復元され、八田與一記念公園として整備されるなど、八田氏の功績を後世に伝えるため、今もなお台湾の方々の心の中に深くその功績が刻まれていると感じました。 現地での説明で、烏山頭ダムは想像を絶する大きさで、私たちが立っているのは一部分にすぎないと教えていただき、その圧倒的な広さに感動を覚え、その歴史の重みと、また、同じ日本人として誇らしく思うのと同時に、その偉大な功績に尊敬の念を抱いた次第です。 その後、烏山頭ダムを後にし、台南市内に移動し、台南市立図書館を洪玉貞(ホン・イュツン)館長の案内のもと視察しました。 この図書館の特徴は、各セクションごとにテーマを持ち、通り一遍の図書館運営をしていないということでした。例えば、児童図書コーナーでは、声を上げても、遊んでも、本を読んでも大丈夫で、また、年配者の方々のコーナーをあえて児童図書コーナーに設置し、お孫さんを連れてくる高齢者もみずから楽しめるような工夫を凝らしていました。また、ヤングアダルトコーナーの書棚は徹底して4段で、私の背の高さより少し低いぐらいにしており、空間と本のとりやすさ、探しやすさを追求しているようでした。日本のマンガ本コーナーもユニークで、もちろん台湾語に翻訳されていました。 そして、一般貸し出しや公開をしていない特別書庫には、日本統治時代に集められた日本語の蔵書1万6,000冊と当時の新聞記事などが重要に保管されていました。保存状態も非常によく、日本人としてただただ感謝の気持ちになりました。加えて、台南の文化や芸術、そして暮らしがこれらの蔵書からうかがえるように、日本の影響を受けているものとも感じました。 その後、国立台湾文学館を視察し、国立台湾文学館の職員の方から館内の説明を受けました。館内には、日本統治時代のものも展示されているなど、現在は、台南市の人気の観光スポットになっているとのことでした。 その夜、台南市政府主催の歓迎会が宿泊しているホテルのレストランにおいて開催され、台南市政府副市長の顔純左(イエ・ツゥンツゥオ)氏、台南市政府新聞及び国際関係処長の呉堂成(ウゥ・タンツン)氏、社団法人台南市台日友好交流協会理事長の郭貞慧(クォウ・ツォンホェ)氏、台南市議会議員の郭國文(クォン・クォウェン)氏、同じく李退之(リ・トイツゥウ)氏、台南市政府新聞及び国際関係課長のツァン・イェンツェ氏、さらに、国際関係課の職員3名と通訳1名が出席されました。 歓迎の挨拶で、顔純左副市長から、10月28日にチャイナエアライン台南-関空線の直行便が就航し、今後、台南市と和歌山市がさらに交流を深めることで、日本と台湾の深いきずなのもとになると思いますとの御挨拶をいただきました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から、チャイナエアライン関空-台南線が就航しましたが、関西国際空港和歌山空港と言ってもよいほど和歌山市に近い空港です。今後、台南市と和歌山市がより近くなったことで、さらに交流を深めていければと思いますと挨拶されました。 次に、松井副団長から、今回、念願でありました烏山頭ダムに訪問させていただくことができましたので、今回の訪問が和歌山市と台南市の皆様方のきずなの深まりの第一歩となりますように心から祈念申し上げますと挨拶されました。 そして、遠藤会長から、今後、台南市、和歌山市がより一層お互いに交流を深めることで、台湾と日本のきずなを強くできるよう努めていきたいと思いますと挨拶された後、遠藤会長の乾杯の御発声で懇親会が始まり、食事をともにしながら友好交流を深め、懇親会は終了いたしました。 最終日の11月9日は、朝から台南市議会を表敬訪問いたしました。当初、台南市議会議長の李全教(リー・チゥエンチァオ)氏を表敬訪問する予定でありましたが、急遽、会議に出席する必要があるため、議長にかわり、台南市議会の秘書長である陳榮枝(ツァン・ロンツー)氏、副秘書長の呉榮章(ウゥ・ロンツァン)氏、さらに議会の職員の方々が温かく迎えてくれました。 まず、陳榮枝秘書長から、議長がお迎えできなかったことに対するおわびと歓迎の御挨拶をいただき、今後、台南市議会和歌山市議会がよい関係を築き、交流していけるよう努力いたしますとの御挨拶をいただきました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から、チャイナエアラインによる台南-関空線の直行便が就航したことで、台南市と和歌山市が非常に近くなりました。今後、私たちの訪問を契機とし、和歌山市と台南市がさらにきずなを深められることを祈念いたしますと挨拶されました。 次に、松井副団長から、今回、日台友好訪問団の一員として8名の和歌山市議会議員が訪問させていただいたことを、李全教議長によろしくお伝えくださいと挨拶され、その後、意見交換する中、陳榮枝秘書長から、今後、機会があれば、台南市議会の議員先生と御一緒に、台南市内を御案内させていただきたいといったお話もいただき、和やかな雰囲気で友好交流が行われました。 その後、台南市政府庁舎に移動し、頼清徳(ライ・チンダー)台南市長を表敬訪問しました。台南市政府からは、頼清徳市長、副秘書長の劉世忠(リュウ・シツォン)氏、台南市政府観光旅行局の王時思(ワン・ススゥー)氏、台南市政府新聞及び国際関係処長の呉堂成(ウゥ・タンチュン)氏、社団法人台南市台日友好交流協会理事長の郭貞慧氏、台南市政府新聞及び国際関係課長のツァン・イェンツェ氏、台南市旅行商業同業公会理事長の蘇榮(スウ・ロンオ)氏、さらに国際関係課の職員の方々が出席されました。 まず歓迎の挨拶で、頼清徳市長から、台南市と和歌山市の交流は、ことしの8月に金沢市で開催された日台交流サミットin金沢から始まり、また、大阪で行われたチャイナエアライン台南-関空線就航に係る感謝の集いにおいて、和歌山市の荒竹副市長、日台友好和歌山市議会議員連盟遠藤会長、寒川副会長初めたくさんの方々とお会いしました。私が大阪を訪問したときには、その会場で和歌山市の紹介のビデオを見させていただき、とても印象深くなりました。特に、和歌山市初め関西エリアのたくさんの町が、縫いぐるみでさまざまな宣伝をされていた中、和歌山市が一番印象深かったことを覚えています。10月31日には、関空から台南への初便で、九重親方とともに和歌山日台交流協会の方々も台南市を訪問していただきました。台南市は、全台湾で90個ある指定古跡のうち22個を有するなど、台南のグルメやマンゴーなどのフルーツも大変有名で、台湾で最も代表的な都市でもあり、よく台南に来たことがなければ、台湾に来たことがないのと同じことと言われています。今後、台南-関空線が就航したことで、台南市と関西エリアの各都市でさまざまな交流が進められ、これから台南市と和歌山市もさらに交流を深め、お互いのきずながさらに深まっていくことを祈念いたしますとの御挨拶をいただきました。 歓迎の御挨拶を受けた後、尾花団長から、このたび日台友好訪問団を受け入れていただき、昨夜は歓迎会も開催していただき、温かく歓迎していただいたことに心から感謝申し上げます。昨日、訪問いたしました烏山頭ダムでは、八田氏御夫婦が台湾の方々、特に台南市民の方々から慕っていただき、また、その功績を顕彰していただいていることに深く感謝申し上げます。その後、訪問させていただきました台南市立図書館は、本当にすばらしい図書館で、さまざまな機能がある図書館でもあり、ぜひ和歌山市としても参考にさせていただきたいと思います。10月28日には、チャイナエアライン台南-関空線を就航され、非常に台南市と近くなりました。和歌山市の近くには世界遺産である高野熊野があり、また、和歌山市には和歌山城やたま電車もあります。ぜひ一度、観光でもお越しいただければと思います。これを機会に台南市と和歌山市がさらにきずなを深めていければと願っておりますと挨拶されました。 次に、松井副団長から、先ほど市長の言葉で、台南に来たことがなければ、台湾に来たことがないのと同じこととおっしゃられました。私は過去に10数回台湾に来ていますが、今回初めて台南に来る機会に恵まれましたので、これで、今後は堂々と台湾に来たと自慢することができます。今回の訪問で、念願でありました烏山頭ダムも見ることができましたので、あと1つ、台南を拠点にバシー海峡に行きたいと思っています。台南-関空線が就航したことで、これから台南を活動の拠点に台湾全土を観光でめぐりたいと思いますと挨拶されました。 さらに、台南市旅行商業同業公会理事長の蘇榮氏から、ようやく台南-関空線が就航し、台南と日本の距離が近くなりました。私たち旅行協会は、和歌山市の皆様がこれから台南市と観光交流や民間交流を進められるときは、全力でサポートしますので、これからもよろしくお願い申し上げますとの御挨拶がありました。 その後、記念品の交換では、尾花団長、松井副団長から、頼清徳市長にそれぞれ記念品を贈呈し、また、日台友好和歌山市議会議員連盟遠藤会長からは、友好と書かれた記念の盾を贈呈した後、今後の友好交流の推進に向けた意見交換を行いました。 以上で、同市での視察の日程を終了しました。 最後になりましたが、今回の訪問に先立ち、現地との調整をしてくださいました台北駐大阪経済文化弁事処の皆様、台湾に滞在中、通訳としてお世話いただきました陳玲玲(ツァン・リンリン)氏に心から御礼申し上げ、日台友好訪問団の報告を終わらせていただきます。 それでは、報告に基づき、本市における国際交流について質問いたします。 私は、今回の台湾友好訪問を通して、台北市、台南市の皆様に温かく迎えていただきました。また、日本統治時代の紀州庵を初めとする建築物や台南市立図書館における日本の書物等が大切に保存され、さらに、烏山頭ダムの建設を指揮された八田與一氏につきましても、その功績をたたえられ、顕彰されていることに大変感動いたしました。 市長は、今回の台湾友好訪問において、初めて台湾を訪れたとのことですが、今回の訪問を通して、台湾の歴史や文化に触れられ、また、台北市や台南市の方々と交流を持たれましたが、台湾を訪問した後の市長の台湾に対する思いはどうですか。 また、今回の台湾友好訪問の成果と、今後、どのように交流を進めていこうとお考えですか、お聞かせください。 続きまして、中学校給食についてお聞きします。 本会議、また、委員会において、先輩議員の方々が中学校給食導入を強く働きかけてきた経緯もあり、2012年10月から中学校給食が導入され、3年が経過しました。今月13日、中学校の保護者として給食試食会に参加させていただきました。 試食する前には、保護者の方々は、給食はおいしくない、味が薄い、おかずが冷たいと子供が話していると、また、コンビニ弁当などに比べて量が少ないなどと話していました。おいしくない、味が薄い、冷たいなどのマイナス面ばかりが先行し、給食を食べていない生徒間でも、給食はおいしくないとイメージづけられているようです。 実際、校長先生からの適切な説明後、一緒に試食した保護者の方々からの御意見を伺ったところ、子供がおいしくないと言うので、一度食べてみたいと思い参加しました。思いのほかとてもおいしく、地産地消もすばらしいと思います。冷たいから嫌だと言っていましたが、それほど我慢できないものでもなく、これならやっぱり給食のほうが成長する時期の子供の昼食として断然よいと思いました。また、思っていたよりも味つけもしっかりとついていておいしかった。野菜も弁当より多くとれるし量もちょうどいいと感じました。案じていた冷たさもメニューによるものと思いますが、それほど感じませんでした。子供から聞くマイナス点は、量が多い、とりに行ったり戻したりが面倒だと言っています。提案としては、一度、学年別、クラス別でもいいので、子供たち自身にも試食の日をつくっていただいて意見を聞くのもいいと思います。また、生徒も親も一度給食を食べてみてから選んでとるようにすればいいのにと思います。おいしいと思います。うちはずっと給食にしています。子供も文句言っていません。安心して食べさせられますなどの意見も数多く出ました。 私自身も試食して、学校給食は専門の栄養士が栄養のバランスを考え献立をつくっており、一般家庭で毎日同等のお弁当を持参させるのは大変な苦労が必要だと思いました。 そこで、お聞きします。 1、栄養バランスを欠いたお弁当や毎回昼食を食べないなど、給食を必要とする生徒が給食をとれているかきちんと把握されていますか。 2、経済面で心配な生徒の昼食が気になるのですが、要保護、準要保護家庭の生徒の給食の喫食率はどれだけですか。また、給食をとっていないそれらの生徒の昼食に問題点はないですか。 3、生徒向けの給食試食会の開催を各学校とも年度当初の時期にできませんか。 次に、子供の貧困格差に対する対策についてお伺いします。 子供の貧困格差により教育格差が生じています。 具体的に文部科学省が調査した平成24年度の子供の学習費調査結果で、参考書等の購入費や学習塾の経費に当たる補助学習費は、年収400万円未満の公立小学校では5万円、1,200万円以上では24万7,000円、年収400万円未満の私立小学校では16万6,000円、年収1,200万円以上では39万円と世帯の年間収入によって補助学習費にはかなりの差があります。世帯の経済状況が教育にどのくらいかけれるかを左右するということであり、教育機会は子供本人の希望とは別の理由で不平等になっています。 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、平均所得金額に基づいた子供の相対的貧困率は1990年代半ばごろから上昇傾向にあり、平成24年には16.3%となっています。子供がいる現役世帯の相対的貧困率は15.1%であり、そのうち大人が1人の世帯の相対的貧困率が54.6%と、大人が2人以上いる12.4%に比べて非常に高い水準になっています。経済的理由により就学困難と認められ、就学援助を受けている小学生、中学生は、平成25年には151万人で、平成7年度の調査開始以降2年連続減少しましたが、その主な原因は子供の数全体の減少によるものであります。就学援助率はこの10年間で上昇傾向にあり、平成25年度には15.42%という高い数字になっております。本市においても、平成25年度には17.14%、平成26年度には16.35%の高い数値です。 また、平成22年、我が国の子供の相対的貧困率はOECD34カ国中10番目に高く、平均を上回っています。子供がいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率はOECD加盟国中最も高く、このようにひとり親家庭など大人1人で子供を養育している家庭が特に経済的に困窮している実態がうかがえます。 東京大学大学院教育研究科大学経営・政策研究センターによりますと、世帯収入と大学進学率には高い相関関係があり、世帯収入の水準によって大学進学率は約2倍近い差があります。親の経済的困難がその子供の学歴や就学機会においてさまざまな不利益を子供にもたらし、貧困の連鎖という問題が生じています。親の貧困が子供の学力や進路選択に与える影響はとても大きいものがあります。子供たちの置かれた環境の違いが学力格差に結びつかないようにすることは、平等な教育機会を与えるという意味で重要です。人生の初期に受ける教育は、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性が高いため、教育機会の不平等を縮小することは重要な課題となっています。教育格差の解消が結果的に貧困の連鎖を断つことにつながると考えます。 そこで、お聞きします。 貧困のために学力の差が生まれることはあってはいけないと考えますが、本市では教育支援の観点からどのような学力向上対策に取り組んでいますか。 以上で第1問とさせていただきます。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 尾花市長。  〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) おはようございます。 11番丹羽議員の一般質問にお答えします。 今回の台湾訪問での台湾への思いは、また、今回の成果と今後どのように交流を進めていくのかとの御質問でございます。 今回、和歌山市として初めて公式に台湾を訪問させていただきました。これまで台湾の方は親日的で友好的であると頭の中では認識しておりました。実際訪問してみて、そのことを心で感じました。丹羽議員御紹介のとおり、台北市の紀州庵や台南市の烏山頭ダムなど、日本人や日本を敬愛し、また、日本の残したすばらしい遺産を大切に継承されていることに感銘を受け、台湾の方の温かい気持ちに触れることができました。これまで台湾との交流に努力されてこられた遠藤会長初め、日台友好和歌山市議会議員連盟の皆様に心から御礼申し上げます。 また、その活動の中で、和歌山市と大変ゆかりのある紀州庵との交流を積極的に展開されてこられたことから、今回、紀州庵で和歌山パネル展を開催させていただき、和歌山市の文化や観光などをPRすることができました。さらに、ことしの10月28日に台南-関西国際空港直行便が就航したことに伴い、台南市との友好交流を進めていくため、台南市長初め市議会を表敬訪問し、今後の交流について話し合いをするとともに、台南市は図書館事業を積極的に展開しており、市立図書館を視察し、その先進的な取り組みを学ぶことができるなど、台南市と初めて交流を持つことができました。その後、早速11月20日に台南市で開催された国際旅行博において、和歌山市の観光PRのためのブースをつくっていただき、交流の一歩が始まったと考えています。 今回の台湾訪問で、台北市、台南市との友好交流や観光交流を進めていくことの具体的な方向性ができたことが大きな成果と考えております。それを受け、今後の友好交流ですが、台北市の紀州庵では、和歌山パネル展を継続的に行うことに加え、紀州庵が文学をテーマにした施設であることから、和歌山市ゆかりの文学者や書籍の紹介、さらに食文化として和歌山ラーメンなどの試食、販売するなど、紀州庵を拠点にこれからも台北市民に広くPRしていきたいと考えております。 また、和歌山市の文化施設において、台湾の文化や観光を紹介するイベントの開催、具体的には来年3月に和歌の浦アート・キューブにおいて台湾の映画の上映など、台湾をテーマにしたイベントを計画していきます。台南市とは、先進的な取り組みをしている図書館との連携を図っていきたいと考えています。また、観光交流において、より多くの台湾からの誘客を促進するため、台北市政府や台南市政府の協力のもと、和歌山市の観光PRを積極的に行っていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 11番丹羽議員の一般質問にお答えします。 子供の貧困格差に対する対策について、貧困のために学力の差が生まれることがあってはいけないと考えるが、本市では教育支援の観点からどのような学力向上対策に取り組んでいるのかとの御質問です。 文部科学省の全国学力・学習状況調査の追加分析調査において、家庭の経済力と子供の学力とに相関があることが確認されています。 現在、学校で取り組んでいる学力向上対策は、議員御指摘の貧困家庭への教育支援という観点からも、意識して取り組まなければならない問題であると考えます。具体的な教育支援ですが、各校では、平成26年度の全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、学力向上施策の一つとして、昨年9月より補充学習の充実に取り組んでいます。小学校においては、放課後に図書室等を開放し、複数の教員が定期的に補充学習の指導に当たることで、基礎学力に課題のある児童の学力向上に取り組んでいるところです。 中学校においても、長期休業期間やテスト期間中を中心に図書室等を開放し、補充学習を行うことで、基礎学力に課題のある生徒の個別支援の充実を目指す取り組みを学校全体で実施している学校がふえつつあります。今後、これらの取り組みを一層推進してまいります。 また、各家庭における経済的な要因だけではなく、それと関連しながら形成されていく文化的な要因も子供の学力に影響していると思われます。 本市においては、読書活動の充実に向け、これまでも子供と保護者が本を介して時間を共有するうちどく等の事業を実施してきたところですが、教育支援の観点からも学校図書を活発に活用できる取り組みを一層充実させてまいります。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 秋月教育局長。  〔教育局長秋月敏尚君登壇〕 ◎教育局長(秋月敏尚君) 11番丹羽議員の一般質問にお答えします。 中学校給食について、3点ございます。 まず1点目、栄養バランスを欠いたお弁当や毎回昼食を食べないなど、給食を必要とする生徒が給食をとれているかきちんと把握されていますかとの御質問です。 全ての中学校において、原則として、昼食時、学級担任の教師がついて一緒に学級で昼食をとっています。その中で、給食以外の昼食をとっている生徒が、栄養バランスを欠いた昼食をとっていないか、あるいは昼食をとれていないというような状況がないか、学級担任の教師が適宜、昼食時の生徒の様子を注意深く観察しながら把握に努めているところです。 次に、経済面で心配な生徒の昼食が気になるが、要保護、準要保護家庭の生徒の給食喫食率はどれだけか、また、給食をとっていないそれらの生徒の昼食に問題点はないかとの御質問です。 要保護、準要保護家庭の生徒の喫食率は、平成26年度1年間の平均で、要保護生徒が49.6%、準要保護生徒が44.4%です。 また、給食をとっていない要保護、準要保護生徒の昼食に問題があったというケースは特に報告されていませんが、給食を注文していない場合、適切な昼食がとれていない等の状況があれば、すぐに学級担任が察知できるよう、より注意深く観察に努めるとともに、そのような状況を把握した場合は、保護者への連絡等、適切な対応に努めるよう、学校長に指示を徹底してまいります。 最後に、生徒向けの給食試食会の開催を各学校とも年度当初の時期にできませんかとの御質問です。 生徒が給食を体験することは、栄養バランスがとれた食事とはどのようなものか学習するよい機会と考えますので、できるだけ年度の早い時期に生徒向けの給食試食会を実施するよう学校長に指示してまいります。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 11番。  〔11番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆11番(丹羽直子君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 日台友好和歌山市議会議員連盟を先輩議員の方々が設立し、台湾との友好交流を深めていただいた結果、今回の紀州庵での和歌山パネル展のような文化交流、そして人と人とのつながりを築いていただいております。うれしいことに市長も、台北市との交流を継続的に行うこと、また、紀州庵を拠点に交流を図っていきたいとおっしゃられていまいす。 台南市立図書館との連携や台北市、台南市との相互交流の中で、食、文化、文学、観光、映画などでさらなる交流を深め、市民にも広がるよう相乗効果でよりよい関係を築き、発展していくよう、一丸となって取り組んでいくように切にお願いいたします。 中学校給食について、平成26年12月、経済文教委員会でも、松井委員からの質問に対する答弁で、担任が把握しているとのことでしたが、1年たった今回の答弁も同じで、喫食率も何ら改善されていません。中学校給食について、あの手この手の改善策で、富田林市では1学期の喫食率が前年期に比べて6%アップした市もございます。和歌山市におきましても、昼食時の生徒の様子を観察し、気になる家庭には懇談時に給食を推進したり、給食PRや食育意識向上の授業を取り入れたり、生徒にアンケート調査をしフィードバックするようにしたり、マイナスイメージだけが先行することのないように徹底的に周知するとともに、本来必要としている生徒が確実に給食を選択できるよう、今後、具体的な改善策を講じられたい。今後も生徒にとってよりよい中学校給食を目指し、継続してただしていきます。 続いて、子供の貧困格差に対する対策について、学校個別でそれぞれ取り組みが始まっているのはよくわかりましたが、子供の教育は行政主導で全精力を挙げて取り組んでいかなければならない問題です。補充学習の重要性を踏まえ、教育委員会は各校への指導をどのように行っていますか。また、予算措置を行うなど、学校支援にどのように取り組まれていますか。 以上で再質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 11番丹羽議員の再質問にお答えします。 子供の貧困格差に対する対策について、補充学習の重要性を踏まえ、教育委員会は各校への指導をどのように行っているか、また、予算措置を行うなど学校支援に取り組んでいるのかとの御質問です。 補充学習の重要性については、十分に認識し、各校の児童生徒の実態に合わせて創意工夫して取り組むよう指導してきたところでありますが、本年度については、小学校の放課後の補充学習を支援するために462万円の予算措置を講じ、放課後学習等フォローアップ事業を実施しています。これは、放課後や長期休業期間中に学習指導を補助する教員OB等を定期的に派遣するもので、今年度は11校がモデル指定を受け、延べ27人の支援員が教員と連携して学習支援に当たっています。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 11番。  〔11番丹羽直子君登壇〕(拍手) ◆11番(丹羽直子君) 子供の貧困格差に対する対策について、再三この議場において、私がお訴えしている、子供は和歌山の宝であり未来です。子供たちが健全に成長していってくれるのは私たち大人の希望です。人材育成に力を尽くし、十分な公的資金を投入し、人的資源、学習できる場所、設備を充実していくことこそが喫緊の課題です。特に、教育予算に関して不足していると思われます。改善をお願いして質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 次に、永野裕久君。-7番。  〔7番永野裕久君登壇〕(拍手)
    ◆7番(永野裕久君) おはようございます。 誠和クラブの永野裕久でございます。今回が改選後初めての一般質問であります。精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いいたします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告どおり、まずは命を守る行政施策について、中でも自殺防止対策について質問に入ります。 命を守る行政施策については、例えば、防災施策のように物理的なハード面の対策が非常に大切でありますが、ソフト面の対策もそれと同じく非常に大切であります。命を守る行政施策の中でも、ソフト面での対策である自殺防止対策についての項目は、平成25年2月議会で私が質問を行った経緯があります。しかし、既に3年近くの歳月が経過していることから、今回はその後の進捗状況も兼ねた一般質問といたします。 和歌山では、今秋開催されました紀の国わかやま国体・わかやま大会で、交通規制などの統括責任者を務めていた県警本部の男性警視が8月16日に自宅でみずから命を絶った出来事は記憶に新しいと思います。報道によりますと、警視は2014年4月から国体開催時の交通規制や人員配置を取り仕切る交通対策官という役職についており、6月、7月の超過勤務はそれぞれ200時間を超え、真面目で責任感が強く、周囲に仕事がしんどい、プレッシャーを感じるなどと漏らしていたそうです。 現在、県警は、勤務と自殺との因果関係を調べている最中ですので、今のところ厳密には、まだ、過労自殺とは断定できないのかもしれませんが、国は超過勤務が月45時間を超えると体調に異変を来す可能性が強まるとの指針をまとめています。一般的に月超過80時間で過労死ラインと言われますが、月200時間を超える勤務は、さすがに働き過ぎということは誰の目にも明白です。 携わる環境にと市の違いはあっても、紀の国わかやま国体・わかやま大会の成功をともに願ってきた一人の県民の立場として、非常に残念で、悔やむに悔やみ切れない出来事であります。御親族におかれましても、心中はいかばかりかと推察されます。紀の国わかやま国体・わかやま大会が無事に大成功のうちに終えることができた今、お亡くなりになられました県警本部の男性警視に対しまして、改めて謹んで哀悼の意を表します。 平成9年から平成10年にかけて自殺者数が急増し、和歌山県内における平成23年の自殺者は236人で、人口10万人対の自殺死亡率は23.8、全国平均22.9を上回り、当時、近畿2府4ではワースト1位でありました。 平成25年2月議会の答弁では、本市における当時の直近確定値は、同じく平成23年分で自殺者数85人、自殺死亡率は人口10万対23.0という数値であり、これは全国平均と同程度であるというお答えでした。 今日における直近数値では、平成26年における厚生労働省の人口動態統計によりますと、全国数値は2万4,417人で、和歌山県内は167人ということでありますので、国、ともに改善されている事実が確認できます。 そこで、以下4点をお伺いします。 1点目、平成24年以降3年分、つまり、平成24年、平成25年、平成26年ということになりますが、本市における自殺者数の年次推移、並びに自殺死亡率の年次推移はどのような数値になっているのでしょうか、お答えください。 2点目、3点目は、平成22年度から本市で実施している自殺防止対策緊急強化事業に関連してお伺いします。 2点目、同事業のうち鬱病夜間相談について、相談に訪れた利用者は何人でしょうか。 3点目、同事業のうち、ゲートキーパー研修会の開催における参加人数は何人でしょうか。 2点目、3点目、ともに平成22年度から直近年度までの累計をお答えください。 本市職員も非常に真面目で責任感が強い方々ばかりであると存じ上げております。本市においても最悪の事態を起こさないためにも、特定の個人のみに重圧がかかるような職場環境ではいけません。行政の組織として仕事をしている以上、互いにサポートできる体制づくりが必要であると思います。 そこで4点目、仕事のプレッシャーからくる極度の超過勤務、極度の疲労、また、それらが原因となり、ひいては最悪の事態に陥らないために、本市職場環境に対してどのようなサポート体制がしかれているのでしょうか、お答えください。 続きまして、通告どおり選挙事務について、中でも、商業施設等への期日前投票所の設置について及び選挙の出前講座についての質問に移ります。 近年、全国的に見ても各種選挙の投票率は年々、回を追うごとに低下傾向にあり、本市においても例外ではありません。具体的な例としましては、市民にとって一番身近な地方選挙に限って見ますと、平成26年の和歌山市長選挙では、悪天候に見舞われたとはいえ、30.84%、翌年4月に行われました統一地方選挙前半の和歌山議会議員選挙、和歌山市選挙区では43.71%。後半の和歌山市議会議員選挙が42.97%でありました。和歌山議会選挙、和歌山市選挙区では、2007年の50.12%を最後に、また、和歌山市議会議員選挙では、2003年の53.50%を最後に、それ以降50%を割っています。 さて、2015年3月、総務省から投票環境の向上方策等に関する研究会中間報告が行われました。そこでは、1、ICTを活用した投票環境の向上、2、期日前投票等の利便性向上、3、選挙人名簿制度の見直し、以上3点が示され、国政、地方選挙における投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境を一層整備し、投票率の向上を図っていくことは、我が国において重要な課題であり、有権者一人一人に着目したさらなる投票機会の創出や利便性の向上に努めていくべきであるとの報告があわせて示されました。 各種選挙の投票日は原則日曜日でありますが、時代の移り変わりとともに、働く一人一人の労働環境は多種多様になり、投票日当時である日曜に休めない、また、深夜まで働いていて投票時間内に投票できないといった状況があります。 そこで、私は今回、中間報告で示された3点の中でも、2番目の期日前投票等の利便性向上に着目したいと思います。そこでは、商業施設等への期日前投票所の設置が挙げられ、以下の文面が報告されています。選挙の公正を確保しつつ、多くの人が往来する商業施設等に設置したり、中山間地等において一時的な投票場所を地区ごとに設置するなど、地域の実情に応じた期日前投票所の効果的な配置を進めると記載されています。 さて、ここで一つ、青森県の選挙管理委員会がインターネットを通じて行ったアンケートを御紹介します。 アンケートでは、投票率を上げるための工夫としてインターネットなどで投票できるようにする、26.7%、商業施設などに期日前投票所を設ける、26.53%、学校教育などで選挙の重要性を教える、14.84%、が上位を占めていました。他のアンケートとはいえ、仮に和歌山で行ったとしても、そう大差ない結果になるのではないでしょうか。 アンケート結果から見ても、投票に行かない最大の理由は投票環境にあるのではないかと推察されます。つまり、有権者の中には、決して政治や選挙に関心がないわけではなく、関心があっても、便利な場所に投票所が設置されていないがために、結果的に投票に行かなかったという有権者が多く存在するものと考えられるのです。 アンケート結果第1位のインターネットで投票できるようにする電子投票制度の実現には、さまざまなハードルを越えなければならず、実現を可能なものにするには、今のところ中長期の時間を要するものと考えています。中長期の時間を要するであろう電子投票の時代がやってくるまでは、当然のことながら選挙とは、有権者がみずから投票所に足を運んで一票を投じるシステムに何ら変わりはありません。やはり、現在において投票率を向上させるには、有権者にとってより利便性の高い期日前投票所の設置が早急に求められます。そして、より利便性の高い期日前投票所の設置とは、新規設置だけではありません。既存の期日前投票所の移設変更という手段もあるのです。既存の期日前投票所の移設変更に伴う他都市の成功事例として、千葉千葉市で数値状況が発表されています。 千葉市議会議員選挙での期日前投票者数を前回平成23年と今回平成27年で比較してみますと、千葉市全体のトレンドとしては、平成23年の4万4,805人から平成27年は6万3,908人と約1.4倍にふえており、千葉市においても年々回を追うごとに期日前投票の認知度が上昇し、それに伴い利用者数が増加している事実がうかがえます。 千葉市全体のトレンド1.4倍に対して、平成23年に増設した期日前投票所を平成27年に有権者にとって利便性の高いイオン稲毛店に変更した結果、前回平成23年期日前投票者数である1,032人から、今回、平成27年の期日前投票者数では6,463人と激増し、前回比何と6.3倍にもなりました。 同じく、イオンマリンピア店に変更した結果、前回平成23年期日前投票者数である3,449人から、今回、平成27年の期日前投票者数である9,794人とこちらも激増し、ここでは前回比約2.8倍になりました。このように、成果は数字上明らかであり、商業施設等に期日前投票所を移設することについては、市民ニーズに合致し、投票率の向上が見込まれます。 関連して補足ですが、アンケートでは、期日前投票に来られた方の75%が、また、50代、60代では80%以上の方が投票と一緒に店舗内で買い物や食事をしております。このことからも、商業施設等における期日前投票所の新設及び移設変更は、場所を提供する商業施設等にしても集客率の向上につながることから、本市における経済効果も含めて、双方極めて有益な取り組みではないでしょうか。 そこで、選挙管理委員会委員長に2点お伺いします。 1点目、総務省からの投票環境の向上方策等に関する研究会中間報告を踏まえた上で、下降に歯どめがかからない投票率の底打ちからの脱却を目的に、本市においても商業施設への期日前投票所の設置が急務であり、また、場合によっては、既存の期日前投票所を近隣商業施設等へ移設変更することも一案であると思いますが、選挙管理委員会委員長の御所見をお聞かせください。 2点目、次は、先ほど申し上げました青森県のアンケートでも上位にありました学校教育などで選挙の重要性を教えるに関連して質問したいと思います。 本市で予定されている直近の選挙は、来年の夏に行われる参議院選挙でありますが、公職選挙法の改正に伴い、その選挙が本市にとって18歳選挙のスタートとなります。公職選挙法改正にとって非常に大きな改革の節目である18歳選挙を目前に控えた今、若年層の投票率向上のためには、学校教育現場においての主権者教育の充実が、今後、より一層の重要課題になってくるはずです。 そこで、お伺いします。 本市においても選挙の出前講座を行っていると聞き及んでいますが、選挙の出前講座について、過去直近3年間の実績をお答えください。 以上をもって、私の第1問といたします。ありがとうございます。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 立本健康局長。  〔健康局長立本 治君登壇〕 ◎健康局長(立本治君) 7番永野議員の御質問にお答えします。 命を守る行政施策について、自殺防止対策について、本市における平成24年度以降の自殺者数、自殺死亡率の年次推移について、鬱病夜間相談の平成22年度から直近年度までの相談者の累計について、ゲートキーパー研修会の開催における平成22年度から直近年度までの参加者人数の累計について、どのような数値になっているかとの御質問です。 本市における自殺者数につきましては、平成24年57人、平成25年81人、平成26年60人です。また、自殺死亡率につきましては、人口10万対で平成24年15.5、平成25年22.1、平成26年16.5で、全国19.5、17.4を少し下回っています。 鬱病夜間相談につきましては、平成22年度から平成26年度までに70人の相談が寄せられています。 ゲートキーパー研修会につきましては、保健対策課が介護職や薬剤師などの専門職に行っているものと、人事課が市職員に対し行っているものがあります。その参加人数は、平成22年度から平成26年度まで累計1,064人となっています。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 川端総務局長。  〔総務局長川端康紀君登壇〕 ◎総務局長(川端康紀君) 7番永野議員の一般質問にお答えします。 命を守る行政施策について、自殺防止対策について、仕事のプレッシャーからくる極度の超過勤務、極度の過労、また、それらが原因となり、ひいては最悪の事態に陥らないために、本市職場環境に対してどのようなサポート体制がしかれているかとの御質問です。 まず、超過勤務への対策としては、超過勤務の時間数が月80時間または2カ月連続45時間を超えた職員には、産業医による保健指導の受診を義務づけています。 また、各職場においては、所属長が中心となり、特定の職員に過度に業務が偏らないよう、平準化に取り組んでいますが、課内の体制で対応できない場合には、局内異動等を利用し、人員補充による体制強化を行えるようにしています。 次に、メンタルヘルス対策としては、早期発見や早期対応のため、人事担当課に職員相談員を配置し、職場巡回などを行うとともに、産業医、保健師、精神科医や心理カウンセラーと連携しながら、職員からの相談に対応できるように体制を整えています。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 川端選挙管理委員会委員長。  〔選挙管理委員会委員長川端正展君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(川端正展君) 7番永野議員の一般質問にお答えいたします。 選挙事務について、2点ございます。1点目は、商業施設等への期日前投票所の設置が急務であり、また、場合によっては既存の期日前投票所を近隣商業施設等へ移設変更することも一案であると思うが、選挙管理委員会委員長の所見はどうか。2点目は、選挙の出前講座の過去直近3年間の実績はどうかとの御質問です。一括して答弁させていただきます。 まず、期日前投票所については、現在、市内3カ所に設置しているところであり、選挙ごとに制度の認知度が上昇し、利用者数は増加傾向にあります。選挙管理委員会としましても、広報車の巡回等による選挙時の啓発活動を行い、棄権することなく投票に行っていただけるよう努めていますが、投票率については依然として低下傾向にあるため、議員御提案の商業施設等への期日前投票所の設置も含め、さらなる投票環境の整備が必要であると考えています。 また、商業施設等への既存の期日前投票所の移設変更については、その地域性や既存期日前投票所の設置状況を踏まえ、必要性を考慮した上での手法であると考えます。 次に、2点目の選挙の出前講座については、小学生を対象として選挙の仕組みや投票の大切さなど、選挙への関心を持ってもらうことを目的として、和歌山選挙管理委員会と共催で、平成23年度から常時啓発の一環として実施しています。 過去直近3年間の実績は、平成24年度は3校、平成25年度は4校で実施、平成26年度については、出前講座開催時期と選挙の準備期間と重なったこともあり、実績はありません。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 7番。  〔7番永野裕久君登壇〕(拍手) ◆7番(永野裕久君) それぞれの項目に対して御答弁をいただきましたので、再質問に入ります。 まず、命を守る行政施策について、中でも自殺防止対策について、こちらは4点の御答弁をいただきました。 過去3年間のデータについては、自殺者数、自殺死亡率ともに平成23年よりも下回り、特に、自殺死亡率においては、全国並びに数値を下回っているとのことでした。自殺者数そして自殺死亡率については、平成25年に行った質問に対しての答弁では、本市における平成23年の自殺者数は85人、自殺死亡率は人口10万対23.0で、当時、全国平均と同程度であるとのお答えでしたので、今回、改善されている結果となったことに、過去に当時の現状を憂い、この本会議場で質問を行った者の立場として、少し安堵すると同時に、本市当局担当職員の皆様の御努力による成果であるものと感謝申し上げるとともに評価いたします。 自殺者数並びに自殺死亡率の動向は、景気状況等、さまざまな要素が複雑に絡みますので、さらなる改善は一朝一夕にはいかず、非常に大変で難しい問題であるとは思いますが、引き続き取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。 次に、平成22年度から本市で実施している自殺防止対策緊急強化事業に関連した質問の答弁では、鬱病夜間相談は、平成22年度から平成26年度の5年間で70人でありました。 鬱病患者の中には、絶望感や不安感から自殺に走る人もおり、WHO-世界保健機関が精神疾患と自殺との関係について調べた調査によると、自殺者のうち約3割が鬱病に該当したという結果が報告されています。このようなことからも、鬱病と自殺は一定の関連性があると考えられております。 また、鬱には、鬱状態と鬱病に大きく分けられ、鬱状態は一時的な鬱で、それが悪化して長期化すると鬱病に進行します。したがって、鬱病夜間相談は、相談に訪れた時点ではまだ鬱病ではなく、鬱状態である相談者も数多くおられるものと推察されます。鬱病夜間相談は、鬱状態から鬱病への進行を未然に防ぐ非常に大切な事業なのです。本市の鬱病夜間相談の利用は、原則毎月第2水曜日18時から、しかも予約制となっておりますが、鬱状態及び鬱病は、突発的または慢性的な症状であります。 そこで、鬱病夜間相談についてお伺いします。 原則毎月第2水曜日18時から、しかも予約制というような狭い入り口ではなく、いつでも利用したいときに利用できるよう常に門戸を開いておくべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。 次に、ゲートキーパーの研修会開催における参加人数は、累計1,064人とのお答えでした。ゲートキーパー研修会、参加累計数の積み重ねが功を奏し、自殺者数、そして自殺死亡率の改善につながっているものと思われます。そのような理由からも、今後は全ての本市職員に対して、ゲートキーパー研修会の参加を目標にしていくことが望ましいと私は考えます。 そこで、お伺いします。 新規採用職員研修でゲートキーパー研修の受講を提案しますが、提案に対する当局のお考えをお聞かせください。 最後に、自殺防止対策に関連した本市職場環境に対して、どのようなサポート体制がしかれているのかの問いについては、産業医による保健指導の受診の義務をしっかりと果たしてもらうことはもちろんのこと、ここでも、本市でのゲートキーパー研修で得た知識と能力を存分に発揮することにより、互いに仲間意識を持って、ともにサポートできる体制をさらに強固なものにしていただきますよう強く要望いたします。 次に、選挙事務についての再質問です。 商業施設等への期日前投票所の設置について、川端選挙管理委員会委員長の御所見をお聞かせいただきました。答弁を受けて、当局も商業施設等への期日前投票所の設置を含め、さらなる投票環境の整備が必要であるとのお考えで、そこは私と共通の認識であることが確認できました。既存の投票所では、家族のうち有権者のみが投票所に足を運び、投票を済ませ帰宅するといった行動が大半であると思います。商業施設等への期日前投票の設置が実現すれば、家族で商業施設等へ出かけた際に投票を行った場合には、選挙権のない18歳未満の子供が、投票所に足を踏み入れる家族の姿、行動を目の当たりにすることができます。そして、それが、選挙の仕組みや投票の大切さなど、選挙への関心を持ってもらうことにもつながり、ある意味、主権者教育にもなり得ると思います。 利便性の向上、経済効果、主権者教育等、もろもろの理由から、やはり商業施設等への期日前投票の設置は急務であります。来年の参議院選挙までに実現願いたいところではありますが、さすがに時間的にタイトであることから、せめて平成31年に執行される次の統一地方選挙までにはぜひとも実現させてもらいたいと思います。 そこで、お伺いします。 商業施設等への期日前投票所の設置について、実現に向けた本気度と意気込みを、また、次の統一地方選挙を目途に実現が可能か否か、はっきりとお答えください。 次に、選挙の出前講座についてですが、選挙の準備期間と重なった平成26年度は別としても、平成24年度3校、平成25年度は4校ということでした。和歌山市立の小学校は53校ですから、それに比べると少し少ないのかなというのが率直な感想であります。選挙の出前講座については、選挙管理委員会はもちろんのこと、教育長にもお願いする事案でありますが、18歳選挙を目前に、選挙の出前講座のような主権者教育が、これからより一層の重要課題になってきます。学校によって主権者教育の差が出ることのないように、まずは公平に、全ての小学生が卒業するまでに、一度は選挙の出前講座を受けることができるような体制の確立が必要だと思います。これについての答弁は求めませんが、選挙管理委員会委員長及び教育長に要望しておきます。 昨今の投票率低下は、我が国全体が抱える問題でありますが、総務省任せではなく、各自治体それぞれが知恵を絞り、汗をかいて投票率向上に取り組み、国民が有する公民権を行使できる環境をつくり上げていくことが、我が国全体の投票率向上にも寄与するものと思われます。 以上の理由からも、当局においては、前向きな答弁を期待し、以上をもって再質問といたします。ありがとうございます。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 立本健康局長。  〔健康局長立本 治君登壇〕 ◎健康局長(立本治君) 7番永野議員の再質問にお答えします。 命を守る行政施策について、自殺防止対策について、鬱病夜間相談について、いつでも利用したいときに利用できるよう常に門戸を開いておくべきだと思うがどうかとの御質問です。 保健所では、鬱病を初めとするさまざまな精神保健福祉相談の窓口として、精神科医師による精神保健福祉相談を月3回、定例的に実施しています。また、精神保健福祉士や保健師等が、精神保健福祉に関する電話相談、面接相談、訪問業務を随時行っており、鬱病夜間相談以外でも、常に市民の皆様に対し、安心して相談できる体制を整備しています。 今後も相談員の資質を高め、相談機能の向上に努めていきたいと考えています。 また、ゲートキーパーの方々にも、周囲で悩みを抱える方に対し傾聴し、必要時に相談機関等につなげていただけるよう連携を図るとともに、各関係機関と地域とのネットワークをさらに強化し、自殺防止対策を推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 川端総務局長。  〔総務局長川端康紀君登壇〕 ◎総務局長(川端康紀君) 7番永野議員の再質問にお答えします。 命を守る行政施策について、自殺防止対策について、新規採用職員研修でゲートキーパー研修の受講を提案しますが、提案に対する当局の考えはとの御質問です。 議員御提案のゲートキーパー研修の受講は重要であると思いますので、今後、新規採用職員研修でも実施していきます。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 川端選挙管理委員会委員長。  〔選挙管理委員会委員長川端正展君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(川端正展君) 7番永野議員の再質問にお答えいたします。 選挙事務について、商業施設等への期日前投票所の設置について、実現に向けた本気度と意気込みを、また、次の統一地方選挙を目途に実現が可能かどうか、はっきりとお答えくださいとの御質問です。 商業施設等への期日前投票所の設置については、有権者のさらなる投票環境の向上に有効な方法であると認識しています。選挙管理委員会といたしましては、利便性のある施設や場所の選定、施設の状況等、課題を整理、検討し、次期統一地方選挙までに設置ができるよう進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 7番。  〔7番永野裕久君登壇〕(拍手) ◆7番(永野裕久君) それでは、再質問に対する御答弁をいただきましたので、再々質問に入ります。 まず、命を守る行政施策について、中でも自殺防止対策について。 鬱病夜間相談について、いつでも利用したいときに利用できるよう、常に門戸を開いておくべきであるのではないかとの問いに対して、夜間相談以外にも月3回、定期的に精神保健福祉相談や電話相談等も実施しているといった内容の答弁でありました。第一問でも申し上げましたように、鬱病と自殺は一定の関連性があると言われていますし、鬱には相談者の悩みに耳を傾ける傾聴に治療の効果があることもわかっています。また、自殺は、午前0時から午前6時の時間帯が特に多いというデータもありますから、夜間の傾聴は非常に大切です。 自殺防止対策推進のためにも、今後、鬱病夜間相談のさらなる機能向上に努めていただきますよう要望します。 次に、選挙事務について、中でも、商業施設等への期日前投票所の設置についての答弁では、次の統一地方選挙までにはと具体的な期限目標を初めて示されました。選挙管理委員会委員長から、かなりの本気度と積極的な意気込みを確認することができましたので、実現に向けた取り組みをお願いするとともに、エールを送りたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。 以上をもちまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) しばらく休憩します。     午前11時35分休憩-----------------------------------     午後1時10分再開 ○議長(尾崎方哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 山野麻衣子君。-2番。  〔2番山野麻衣子君登壇〕(拍手) ◆2番(山野麻衣子君) 皆さん、こんにちは。維新の党議員団の山野麻衣子です。おくればせながら、初登壇ということで緊張しております。 私ごとではございますが、4月に初当選させていただきました。役所のOB、職員、父と仕事をともにした多くの方々から、今回出馬させていただいたことで、父との思い出話をたくさん聞かせていただきました。亡くなり、もうすぐ丸9年を迎えますが、今でも覚えていただいていますことを大変うれしく、思わず目頭が熱くなります。恥じぬよう頑張りますので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 教育について質問させていただきます。 選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられ、来年の参議院選挙から現在の高校3年生と高校2年生の一部に選挙権が付与されます。法改正に伴い、今後は高等学校にも選挙権を有する生徒が在籍することとなります。高等学校などにおいては、教育基本法第14条第1項を踏まえ、これまでも平和で民主的な国家、社会の形成者を育成することを目的として政治的教育を育む教育をされてきたことだと思いますが、改正法により、選挙権年齢の引き下げが行われたことなどを契機に、習得した知識を活用し、主体的な選択、判断を行い、他者と協働しながらさまざまな課題を解決していくという国家、社会の形成者としての資質や能力を育むことがより一層求められます。 このため、議会制民主主義など民主主義の意義、政策形成の仕組みや選挙の仕組みなどの政治や選挙の理解を加えて現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が国民投票の投票権や選挙権を有する者としてみずからの判断で権利を行使することができるように、具体的かつ実践的な指導を行うことが重要になってきます。その際、法律にのっとった適切な選挙運動が行われるよう、公職選挙法などに関する正しい知識についての指導も重要です。 他方で、学校は教育基本法第14条第2項に基づき、政治的中立性を確保することが求められるとともに、指導する教員につきましては、学校教育に対する国民の信頼を確保するため、公正、中立な立場が求められており、教員の言動が生徒に与える影響が極めて大きいことなどが考えられます。学校現場における政治や選挙などに関する学習の内容の一層の充実を図るため、総務省と文部科学省の連携により、「私たちが拓く日本の未来」という生徒用副教材、教師用指導資料が12月中旬には全校に届くとの報道がありました。その指導資料に沿って、年内もしくは年明けから授業を始められると思います。初めてスタートさせるものにおきましては、実際、どれぐらい生徒が理解できるか否か、最初は教員も手探り状態だと思います。選挙に行くというだけでなく、生徒の社会参加をどうするかという視点で、選挙制度だけでなく政治的リテラシーを高める授業が必要ではないかと思います。 政治的リテラシーというのは、イギリスの政治学者バーナード・クリックの考え方で、重要なのは争点を知るということです。政治的の本質は、異なる利害や価値観を持った人たちの同意をどうつくっていくかにあります。争点を知るということは、生の政治の中で、今、何が問題になっているのかを知るということで、これが重要だと彼は主張しております。学校教育では、政治的リテラシーをしっかり教育する、生の政治を教材としてしっかり示さないといけません。今、現実の社会で争われていることを教材で取り上げることが、本当の意味で教育基本法第14条にいう政治的教養の尊重となります。何が争点になっているのかを知ることで、初めて学校教育における政治的中立性が確保されるのです。日本の学校教育の現場では、この点がタブー視され、教育されてきませんでした。 しかし、近年、暗記科目から、物を考える、判断する教科とするということが強調されています。主権者を育てるのは政治教育だけでなく、身の回りのことがどのように決定され、社会とどのようにつながっているのかを見せ、最終的には自分の判断で候補者を選ぶという教育です。社会とのつながりがわかる争点を知るという学習をすることで、参加すれば世の中が変わるのだということを感じさせるものがないと投票行動に結びつかないと思います。 教員は、生徒から今後、主権者教育、政治的教育について質問を受ける機会もふえていくことと思います。それに対して一つ一つ答えるのが教育者としての役割だと考えます。そのためには、教員も多様な意見、考えを紹介し、多角的に物事を捉え、考え、深化させる機会を創出することが不可欠です。最近は、インターネットやSNSを活用する政治活動が一般的です。インターネットを利用した政治活動については、さまざまな意見、考え方についての情報発信や情報共有などの観点から利便性、有用性が認められる一方で、公職選挙法上認められていない選挙活動を生徒が行ってしまうといった問題が生じ得ることから、政治的教養の教育や、高等学校などの生徒による政治的活動などに係る指導を行うに当たって、特に留意しなければいけないと思います。選挙違反に対する啓発や指導について、生徒を守るための公職選挙法は喫緊の課題です。早急にしないと、現在、高校3年生は受験や就職が迫ってきてしまいます。知らずとして選挙違反をしてしまう可能性もゼロではありません。 そこで、質問です。 市立和歌山高等学校では、どのように政治的教養を育む教育に取り組んでいきますか。特に、SNSを活用することによってさまざまな問題が生じると思われるが、どのように対応するつもりですか。 教員は、今後どのような姿勢で政治的教養を育む教育の指導を行うべきだと考えますか。また、公正、中立な立場での指導について、どのように行っていくのか、以上をお聞きしまして、第1問とします。(拍手)  〔議長退席、副議長着席〕 ○副議長(松井紀博君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 2番山野議員の一般質問にお答えします。 教育行政について、2点ございます。 まず、市立和歌山高等学校ではどのように政治的教養を育む教育に取り組んでいくのか、特に、SNSを活用することによってさまざまな問題が生じると思われるが、どのように対応するつもりかとの御質問です。 改正公職選挙法については、平成28年夏の参議院議員通常選挙から適用されることが見込まれています。現3年生、また、2年生の中にも投票権を得る生徒がいることを踏まえれば、できるだけ早い時期から学校全体で計画的に取り組んでいかなければなりません。 市立和歌山高等学校では、具体的な投票方法など、実際の選挙の際に必要となる知識を得たり、模擬選挙などの実践的な教育活動を通して理解を深めたりすることができるように、12月に選挙管理委員会による出前授業を行う予定です。また、文部科学省等が作成した生徒用副教材が近日中に届く予定となっていますので、教科での指導にとどめず、3学期には特設授業を設け、学校全体で政治的教養を育む教育の学習を深めてまいります。 現在、高校生の主な情報伝達の手段がSNSとなっています。さまざまな情報が氾濫する中、情報モラル教育についても取り組んできたところですが、議員御指摘のように、高校生が選挙運動を行う場合、今後、SNSを利用することが予想されます。選挙運動は、選挙運動期間内において18歳以上の者のみが行うことが可能であること、電子メールを利用する選挙運動は禁止されていることなどさまざまな制約もあり、安易な判断で利用することで選挙違反につながることも考えられますので、具体的な事例を挙げながら、理解が深まるように指導を行ってまいります。 次に、教員は、今後、どのような姿勢で政治的教養を育む教育の指導を行うべきだと考えるか、また、公正、中立な立場での指導について、どのように行っていくのかとの御質問です。 市立和歌山高等学校の教員においては、文部科学省からの通知文書の周知徹底を図るとともに、関係法令や指導上の政治的中立の確保等に関する留意点をまとめた指導資料をもとに、全教員で研修を深めることになっています。研修に当たっては、選挙管理委員会等とも連携しながら内容の充実を図ります。 また、教育委員会において、公民科を担当している高校教員を中心に指導方法の研修会が開催される予定となっています。 公正、中立については、政治的教養を育む教育の指導過程で教員が特に留意しなければならないことです。教育基本法には、学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないことが規定されています。また、公職選挙法にも、教育者の地位利用の選挙運動の禁止が規定されています。 これらの法律に基づき、学校や教員が政治的中立を守りながら責任ある対応を行うことは当然のことでありますが、現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が有権者としてみずからの判断で選挙に臨むことができるように具体的、実践的な指導も行っていかなければなりません。指導内容、指導案、資料を含め、学校全体で内容を検討し、系統的に、また、計画的に政治的教養を育む教育を行っていくことが、公正、中立を維持していく上で欠かせないものであると考えます。 以上でございます。 ○副議長(松井紀博君) 2番。  〔2番山野麻衣子君登壇〕(拍手) ◆2番(山野麻衣子君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問を行います。 高校生の一部が選挙権を持つことになり、子供たちにより一層、国家、社会の主体的な形成者としての資質を育成する必要があり、これまで以上に重要になってきます。現時点において、中学校3年生の公民では、憲法や政治の働きを学習します。市立中学校の多くは授業の一環として修学旅行の中で国会議事堂を見学します。これから小中学校においても、主権者としての自覚を育てる教育は、これまで以上に重要になってきます。中学校は義務教育であり、そもそも義務教育を終えた時点で必要な基礎的教養を培われているはずです。高等学校へは必ず全員が進学を希望するわけではありません。中学校を卒業して社会人になる市民もいるわけです。中学生には中学生レベルの義務教育としてできる範囲の主権者教育や政治的教養を今から身につける必要があると思います。 日常の教育活動を通じて、地域や社会で起こっている出来事について、考えたり、話したり、調べたり、また、参加型の授業を展開したりする機会を設けることです。中学校から公職選挙法などを理解させるための模擬投票などの体験学習も含め、教育の一層の充実は必要と考えます。政治に関する興味、関心を高める授業改善や社会科の教科の範囲にとらわれず、教科書に書いていることをそのまま学習するのではなく、考える子供を育てる教育や、新聞やニュースなどを通じて学び方を学ぶ教育などを日ごろから取り入れるべきだと思います。 教育は大切であり、何より力を入れるべきだと考えています。教育こそが社会全体の今後の一層の発展を実現する基盤であることは論をまたないところです。子供たちが力強く生き抜き、未来を切り開く力を備え、有権者意識を育てるということを見通し、実社会の担い手を育てる環境づくりができるように教育現場での取り組みを行っていただきたいと思います。 そこで、質問です。 中学校の義務教育課程における選挙の実施に向けて、生徒の興味、関心をどのように高めていくのか、また、政治的教養の基礎となる力を全ての教科の中でふだんから育むべきだと考えるが、どのように取り組んでいくのか。 以上をお聞きしまして、第2問とさせていただきます。(拍手) ○副議長(松井紀博君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 2番山野議員の再質問にお答えします。 教育行政について、中学校の義務教育課程における選挙の実施に向けて、生徒の興味、関心をどのように高めていくのか。また、政治的教養の基礎となる力を全ての教科の中でふだんから育むべきだと考えるが、どのように取り組んでいくのかとの御質問です。 現在、小中学校においては、学習指導要領に基づき、社会科の授業を中心に、児童生徒の発達段階に応じて、憲法や選挙、政治参加に関する教育が行われています。現実社会の諸課題について、多面的、多角的に考察し、公正に判断する力を身につける指導が大切であると考えます。そのためには、課題について調べ、他者の意見を聞き、自分なりに考え、判断することが求められます。このとき、興味や関心を持って考えることによって、より理解が深まります。全ての教科において児童生徒の興味や関心を高めるには、生活に密着した身近な話題やニュースについて考えさせるなど、取り扱う教材について十分工夫しなければなりません。 また、自分の意見を表明する力を育成することも重要です。現在、市内の公立中学校においては、これまでの講義型の受け身の学習から問題解決型の学習への転換を図っているところであり、各教科での研究実践に取り組んでいます。 今回の法改正に伴い、義務教育の段階においても、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を一層養うよう、教育の充実に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(松井紀博君) 2番。  〔2番山野麻衣子君登壇〕(拍手) ◆2番(山野麻衣子君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再々質問は要望にとどめます。 来年の参議院選挙を迎えるとなれば、今後、さまざまな問題が随所に出てくるのではないかと思っています。しっかりとした対応をお願いしておきたいと思います。どんな授業であれば許されるのか、どう指導すればよいのか、教育現場から教育研修を切望する声がありますので、教員の不安を取り除き、授業に臨めるような教員研修を望みます。 1つの結果を出すよりも結論に至るまでの冷静で理性的な議論の過程が大切であると生徒に理解させることができるよう、今後の指導に取り組んでいただきたいと要望します。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(松井紀博君) 次に、中谷謙二君。-10番。  〔10番中谷謙二君登壇〕(拍手) ◆10番(中谷謙二君) 改めまして、こんにちは。至政クラブ、中谷謙二です。 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。 まずは、教育行政について質問いたします。 国語力は授業を聞く力、問題を読み取る力、自習する力、国語力は全ての教科に影響する、教育関係に従事する人の多くが国語力の重要性を訴えています。 義務教育の機会均等と、その水準の維持、向上の観点から、全国的な児童の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るのが全国学力・学習状況調査です。平成27年度全国学力・学習状況調査の結果、国語A、Bとも、本市におきましては、小学校、中学校において全国平均を下回り、和歌山平均も下回っているという結果が出ました。全国で最下位であった昨年度の小学校国語Aについては、本年度は全国との差を縮めていますが、中学校国語Aは全国との差が昨年よりも開くという結果になりました。 国語Aは基礎的、基本的な問題で、話すこと、聞くこと、書くこと、読むこと、伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項に関する内容で、しっかりと基本を身につけていなければ解けないものであります。 私は、国語力育成には国語力の基礎、基盤の大きな要素である語彙力が不足しているのではと考えます。8歳から11歳までが飛躍的に語彙獲得を増加させる時期であることが示されております。この時期に適切な言語教育をすれば、言葉の力は大きく伸びていきます。現在はスマホ、LINE、メール、ネットの世界では言葉はあふれていますが、本当の豊かな言葉に触れられる機会が昔に比べて減っていると考えられ、子供たちの語彙力、国語力の低下に影響を与えていることは否めないと思います。読書量をふやし、書く機会を設け、会話を充実させ、子供言葉からの脱皮を図り、しっかりと音読する。言葉のシャワーを浴び、語彙力をつけていく。国語力は一朝一夕で伸びるものではなく、これをしたならば即座に効果が出るというものでもなく、日々継続していくことが大切だと考えます。子供たちは、学校という場で1日の多くの時間を過ごします。公教育の中での国語力育成への期待は高いと考えます。 そこで、提案ですが、幼稚園、小学校、中学校で音読、素読を取り入れてはいかがでしょうか。 素読と聞きなれない言葉かもしれませんが、音読には朗読と素読があり、意味を理解して工夫して読むのは朗読で、意味を理解に関係なく、ただ声に出して読むのが素読であります。意味を理解しないでと思われますが、言語のインプットの基本は音によって行われます。言葉を覚える際、子供は初めは意味を意識していません。言葉の理解は成長した後でもよいので、まずは言葉のベースとなる音でよい言葉をインプットしていくのが素読であります。 例えば、毎朝、子供たちに自分の生き方の指針として役立ててほしい言葉、論語、古典、スポーツ選手の言葉等、いつの時代にも愛され、人々の心や生き方に影響を与える言葉を朝の授業前にみんなで元気よく発して1日をスタートする。脳科学研究でも音読、素読の効果は脳の活性化に大きく役立ち、感性を磨き、情緒が安定する、集中力が高まる、読書を支える基盤、元気が出る、語彙の蓄積量が多くなると言われています。 実際に山口萩市の明倫小学校では、昭和56年から音読、素読を取り入れております。明倫小学校は吉田松陰先生が生まれた地でありまして、「松陰先生のことば」という副読本を作成し、1年生から6年生まで、学期ごとに1つの言葉を毎朝みんなで音読、素読をいたします。卒業までに18の言葉に触れます。1年生の1学期の言葉を紹介いたします。「今日よりぞ幼心を打ち捨てて人となりにし道を踏めかし」、新入生にぴったりな言葉だと思います。この言葉を小学校1年生が入学して1学期が始まった瞬間から毎日みんなで元気に素読します。今は恐らく理解できてなくとも、やがてみずからの血となり肉となる言葉だと先生方は口をそろえております。 福沢諭吉、森鴎外、夏目漱石なども素読を行っていたそうです。日本人初のノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹さんも、幼いころから祖父からの指導を受けて素読をやっており、後に、意味もわからずやっていた素読だが、文字に対する抵抗感がなく、漢字の難しい本も抵抗なく読めた、素読は決して無駄ではなかったと語っておられます。 私自身も勉強のために実際、現在、全国で引っ張りだこの広島まほろば学習会の素読教室に通っておりますが、素読をやっていて感じるのは、大人が子供の可能性を狭めている、子供には無限の可能性があるということです。5歳、6歳のお子さんが、初代から昭和天皇まで、おなかからしっかりと声を出し、そらんずる姿、また、大人が難しいなと思う論語などわずかな時間で覚えてしまう姿を目の当たりにして、こういった音読、素読は毎日の継続、毎日の徹底で国語力の向上につながるのだと考えます。また、本市の教育の特色にもつながると考えます。 和歌山市長期総合計画後期基本計画で、子供たちの確かな学力の定着と向上、基礎的な知識・技能の定着とともに、みずから考え、判断し、表現する力の育成を目指し、学習内容の充実に努めますとありますが、小学校、中学校における国語力育成に向けた具体的な取り組みと、音読、素読の取り組みについての御見解をお示しください。 続きまして、防災行政についてです。 大規模自然災害等に備えた国土の全域にわたる強靱な国づくりを実現するためには、中央政府のみならず、市、、関係者が積極的に取り組むことが不可欠であります。 本市では、平成26年3月、南海トラフ地震対策推進地域及び南海トラフ地震津波対策避難対策特別強化地域に指定されるとともに、中央構造線活断層を直下に抱えている地域であり、平成26年10月公表の和歌山被害想定では、甚大な被害が懸念されている。また、近年の台風の大型化、集中豪雨等による浸水被害や洪水被害が懸念されている。平時から大規模自然災害等に対する備えを行う地域づくりを進めていくことが重要であります。11月1日には和歌山市総合防災訓練が開催されましたが、これまで先輩議員が議場で何度もただした防災無線のことですが、今回の防災訓練におきましても市民の皆さんからは本当に聞き取りにくいとの多くの声をいただきました。私自身も地元の第一次避難場所で晴天にもかかわらず聞き取れず、訓練でなく、今、実際に災害に襲われたと考えると恐ろしくなりました。和歌山市長期総合計画後期基本計画に「災害情報の伝達できる割合(防災無線等)」現状値54%と示されていますが、この54%という数字の根拠、また、平成29年度の目標値である95%まで上げていく情報伝達体制はどのようにお考えかをお示しください。 また、11月25日に全国瞬時警報システムJアラートの全国一斉情報伝達訓練が実施されました。このJアラートは、緊急地震速報、津波情報、弾道ミサイル情報、大規模テロ情報等、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を人工衛星を用いて国から送信し、市区町村の防災行政無線等を自動起動することによって、国から住民までに瞬時に伝達するシステムであると聞いております。本市への導入実績、公共施設への整備はどのようになっていますか。 災害時に最も必要な物資の一つに飲料水、生活用水があります。飲料水、生活用水確保というのは生死にかかわる重要な問題です。災害時における断水地域への応急給水活動の計画と、どのぐらいの水を確保できているのかをお示しください。 続きまして、平成25年9月定例会において、貴志啓一議員の各地域での防災井戸の設置など災害時の生活用水の確保に有効と考えられる防災井戸の設置に関する質問で、関係各部局と協議してまいりますとの御答弁ですが、今現在、どのように進んでいるかをお聞きいたしまして、第1問目とさせていただきます。(拍手)  〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(尾崎方哉君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 10番中谷議員の一般質問にお答えします。 教育行政について、国語力育成を通じた学力向上についてです。 小学校、中学校における国語力育成に向けた具体的な取り組みと、音読、素読の取り組みについての見解はどうかとの御質問です。 国語力を向上させるには、文章を読んでその内容を読み取る力や、適切に自分の考えを文章で表現する力を計画的に高めていかなければなりません。 音読は、子供たちの文章を読み取る力を養う基礎的な学習活動ですが、発達段階に応じて適切に行われることで、文字や文、文章を正確に音声化、意味化する理解活動、伝達活動となり、さらに深い理解、表現化が加わることによって表現活動にもなります。また、素読については、初めは意味のわからない言葉であっても、古今の豊かな言葉を日本語の美しいリズムのもとに読み上げていくことで子供の豊かな心を醸成するものであると考えます。国語力向上の手だてとして研究を深め、学校現場へ推奨してまいります。 国語力の育成に向けた具体的な取り組みとして、小学校では、和歌山市教育委員会のオリジナル教材である紀州っ子学びノートを作成し、文書やさまざまな資料に親しみながら言葉の力や論理的な思考力を養っていくこと、経験や知識、情報を活用し、熟考する、書く、まとめる、伝えるなどの力を身につけることを目的に取り組んでいます。また、子供と保護者が話題を共有し、豊かな言葉を獲得できるように読書活動の推進にも努めています。 国語力は、教科指導の中だけでなく、広く教育活動全体を通じて育成されるものであり、語彙をふやし、言葉を豊かにするとともに、みずから考え、判断し、表現することで高められる力です。 今年度より中学校では、講義型授業から課題解決型授業への改善を目標に、子供たちが相互に学び合う協同学習の研究実践を始めています。各校の教員が教科の枠を超えて研究を重ね、学校全体での授業改善を図るとともに、他校のすぐれた実践を取り入れながら、総合的に国語力の向上に取り組んでいるところです。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 宮原危機管理局長。  〔危機管理局長宮原秀明君登壇〕 ◎危機管理局長(宮原秀明君) 10番中谷議員の一般質問にお答えします。 防災行政について、3点ございます。 まず、1点目、和歌山市長期総合計画後期基本計画に示されている災害情報の伝達できる割合、現状値54%の根拠は、また、平成29年度の目標値95%まで上げていく情報伝達体制はとの御質問です。 災害情報の伝達できる割合54%につきましては、平成24年度時点での和歌山市の居住区域に対する防災行政無線の可聴範囲の割合を根拠としています。 また、情報伝達体制につきましては、防災行政無線の可聴範囲を拡大するとともに、和歌山市防災情報メールへの登録を促進するなどで目標値95%を目指してまいります。 次に、Jアラートの本市への導入実績、公共施設への整備状況はどのようになっているのかとの御質問です。 平成20年7月にJアラートを導入いたしました。公共施設への整備状況につきましては、学校、幼稚園、保育所、多くの市民の皆様が御利用されるコミュニティセンター、体育館、市民会館、支所、連絡所などに戸別受信機を設置し、Jアラートに対応しています。 最後に、防災井戸の設置に関し、現在、どのように進んでいるのかとの御質問です。 大規模災害時に水道機能が復旧するまでの間の生活用水を確保する上では、地域の井戸などを活用するのは有効な手段と考えられることから、井戸の利用を促進するために和歌山市訓練活動費等補助金の中で井戸水の水質検査に係る費用を補助し、自主防災訓練などの際に井戸を利用していただけるようにしています。 また、市の避難施設において公共下水道直結型仮設トイレ、いわゆるマンホールトイレを設置し、井戸を併設しているところでは、災害時に生活用水として活用することが可能となっています。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 山崎水道局長。  〔水道局長山崎隆弘君登壇〕 ◎水道局長(山崎隆弘君) 10番中谷議員の一般質問にお答えします。 防災行政について、災害時における断水地域への応急給水活動の計画と、どのぐらいの水を確保できているのかとの御質問でございます。 応急給水活動につきましては、浄水場及び配水池等での拠点給水、給水車等による運搬給水、消火栓を利用して行う仮設給水に加え、避難所となる学校の受水槽などを利用した給水を計画しております。給水量は、発災後3日までは生命維持に最小限必要な1人1日3リットル、4日目からは1人1日20リットルを目標とし、以降、水道施設の応急復旧の進捗状況に応じ、給水量を徐々にふやしていきます。また、現有の浄水場、配水池等により、全市民に対し、およそ5日間の給水活動ができる水量を確保できているものと考えております。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 10番。  〔10番中谷謙二君登壇〕(拍手) ◆10番(中谷謙二君) それぞれ御答弁いただきましたので、再質問させていただきます。 まずは、防災行政について、災害情報の伝達は命の伝達となりますので、95%という目標値達成への取り組みを強く要望いたします。 学校を初め、多くの市民が利用される公共施設に戸別受信機を設置し、Jアラートに対応しているとのことですが、緊急地震速報から強い揺れが到達するまでの時間は数秒から数十秒と言われております。この間に何らかの避難対策を講ずることができれば、地震被害の軽減につながると考えます。 そこで、Jアラートが起動した場合、公共施設では自動的に館内一斉放送をすることは可能なのかをお聞かせください。 応急給水活動計画では37万人分、約5日間の水の確保ができているとのことですが、災害状況により応急給水活動ができない地域も考えられます。また、地域の井戸などを活用するのは有効で、井戸水を利用していただけるように進めていますとのことですが、やはり水に対しては念には念を入れ、備えておかなければと考えます。大規模な地震等の災害が発生し、水道の給水が停止した場合に、近隣の被災者へ井戸水を提供いただけるように、他都市では災害時協力井戸登録制度が実施されております。本市も井戸を活用されている地域があると聞いております。生活用水確保のため、本市においても速やかに同様の取り組みをするべきだと考えますが、当局の御見解をお伺いいたします。 また、市の避難施設に公共下水道直結型仮設トイレを設置との御答弁をいただきましたが、避難所が開設され、大勢の被災者が訪れることとなる学校施設に優先的に設置していかなければならないと考えます。避難所におきましては、仮設トイレが非常に重要となり、衛生面はもとより、疫病の発生原因にもなりかねません。また、不衛生なトイレを敬遠し、体調悪化を招き、震災関連死の一因にもなったとされ、阪神・淡路大震災や東日本大震災発生時に切実な問題となったのは御承知であります。 私が現在、学ばせていただいております紀の国防災人づくり塾でのグループワークでも、トイレの重要性が話し合われ、その中で仮設トイレをあらかじめ避難所に設置していればよいのではないかという話も出ております。和歌山市内、全ての避難所に仮設トイレを設置するため、し尿収集運搬業者と締結していると聞いておりますが、発災直後、災害規模によってはすぐに仮設トイレが届かないことも考えられます。発災直後の仮設トイレが到着するまでの対策はどうなっておりますか。現在の学校施設等における公共下水道直結型仮設トイレの設置はどうなっておりますか。また、今後の計画をお示しください。 続いて、兵庫の例を出させていただきます。兵庫では、県内の避難所となる全公立小学校の約760校を対象に井戸を整備する方針で避難所トイレの衛生面の向上に乗り出しております。井戸は深さ10メートル程度で、停電でも使える手動ポンプ式井戸を設け、整備費用も1基につき約40万円と低予算であります。本市でも避難所となる学校施設への井戸整備の計画はあるのでしょうか。 次に、教育行政についての再質問をいたします。 音読、素読については研究を深め、推奨していくとのことですが、言葉のシャワーを浴びて言葉の器を広げていかなければ、みずからを表現する言葉も出てこない、コミュニケーションもとれない、そういった状況にもつながるのではないでしょうか。国語力を向上させるには、語彙力の向上を考えていければと思います。ぜひとも語彙力を向上する音読、素読に取り組んでいただきたいと思います。 御答弁の中で、国語力は教科指導の中でなく、広く教育活動全体を通じて育成されるものであり、語彙をふやし、言葉を豊かにするとともに、みずから考え、判断し、表現するとあります。そのみずから考え、判断し、表現する国語力の向上につながる教育活動についての御提案をさせていただきます。 2分の1成人式、本市においても取り組んでいる小学校があると聞いておりますが、中学生における立志式にも取り組んでいただきたいと御提案いたします。2分の1成人式は10歳、成人式は20歳、その間の15歳。15歳といえば昔でいう元服の時期です。元服とは、きょうからあなたのことを大人とみなしますよという儀式であります。中学2年生の立春の日に自身を振り返り、親や周りへの感謝、自分はどう生きていくのかを、この道を志したいと中学2年生の3学期にみんなの前で宣言し、みずからを律して義務教育を終了する中学3年の1年間に臨んでいければと考えます。 気をつけなければならないのが、立志式をただのイベントにしてはならないということです。お隣の海南市で初めて立志式を行った当時の校長先生にお話を聞かせていただきました。立志式に当たり、中学2年生の3学期に入ると約10時間の時間をとり、授業で幕末の志士、橋本佐内の啓発録等を学びます。なぜ啓発録なのか。これは、橋本佐内が15歳のときに自分の生き方の指針として記したのが啓発録で、橋本佐内が啓発録を書き上げた同じ年齢である15歳の今の自分はどうであるかを比較し、問いかけ、心に入りやすいからです。 どのような学びを行っているのか、啓発録の5カ条を御紹介します。稚心を去る。稚心とは、子供じみた心のこと。自分の好きな遊びばかり熱中し、安楽なことばかり追いかけ、いつまでも父や母に甘えていてはならない、立派な武士になるため、稚心を去らねばならないと考える。次に、気を振るう。気とは、人に負けまいと思う心、努力しないで負けるということは恥ずかしいことであり、それを知って悔しく思って頑張ろうとする心、人には負けぬという決意を忘れぬことが大切である。志を立つ。志とは生き方の決意を固めるということである。志を立てるには聖賢の教えや歴史の書物を読んで、その中から深く心に感じた部分を書き抜いて壁に張り、いつもそれを眺めて自己を顧みて、自分の足らんところを努力することが大切である。そして、自分が少しずつ前進するのを楽しみとすることである。学に勉む。勉学とは、すぐれた人物の立派な行いを習い、みずからも実行し、自己の力を出し尽くして目的を達成するまで続けるということである。書物を読んで知識を深めるだけではなく、忠孝の精神を養うことと文武の道を修業することが大切である。交友を選ぶ。交友とは、自分が交際する友人であり、友人には益友と損友とがあるから見きわめて選ぶことが必要である。益友には自分から積極的に交わり、大切にすべきであり、損友がいたら、自分の力でよくない面を正しい方向に導いてやらねばならない。 この啓発録で、同じ年齢の橋本佐内がどのような人になろうとしていたのか、また、自分はどのような人になったらよいのか、そのような学びをしっかりとした後に、将来に向けての決意を色紙に一番大切な言葉や思いを書き、壇上で一人一人が、文字を選んだ理由や日ごろ言葉で伝え切れてない思いや志や決意を保護者、地域の前で発表します。立志式を行ったことで、子供たちにも変化があらわれたと言われていました。 みんなの前で発表することで生徒たちの顔つきが変わり、また、生活が乱れていた生徒の意識が変わるというか、変わるきっかけを求めていたのだと思いますが、立志式がきっかけになるんですね。みんなの前で発表することで今までの自分と決別する理由ができるんです。最上級生である3年生が落ちつくことで下級生も落ちついてくる、学校全体が落ちついてくるんです。発表を聞いた親も子供の成長を感じ、自分の子供はこういうことを考えていたんだと子供との会話の内容も変化してきてまいります。また、その志を聞いた地域の方の中で、自分ができるアドバイスを子供にしていただける新たなコミュニケーションも生まれます。 我が身を振り返り、親への感謝、地域の方への感謝、自分がどう生きたいのか、志を立て、将来設計をする上でも非常に役に立つと思います。公開で立志式をすることで、地域で子供たちを育てる、そういった意識も芽生えるきっかけになると考えられます。本市の中学生においても、みずからを律し、生き方を考え、宣言する立志式に取り組んではいかがでしょうか。 これで、第2問とさせていただきます。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) 宮原危機管理局長。  〔危機管理局長宮原秀明君登壇〕 ◎危機管理局長(宮原秀明君) 10番中谷議員の再質問にお答えします。 防災行政について、4点ございます。 まず、1点目、Jアラートが起動した場合に、自動的に館内一斉放送をすることは可能なのかとの御質問です。 現状では、戸別受信機と各施設の放送設備が連動していないため、自動的にJアラートの情報を館内一斉放送することは不可能です。今後、戸別受信機と放送設備の連動による自動放送が可能かどうか、各施設ごとの放送設備を調査、研究してまいります。 次に、2点目、災害時協力井戸登録制度についての見解はとの御質問です。 災害時協力井戸登録制度につきましては、実施に向け、制度の研究をしてまいります。 次に、3点目、発災直後に仮設トイレが到着するまでの対策はとの御質問です。 発災直後には、備蓄倉庫や避難所に備蓄している組み立て式の簡易トイレとトイレ処理剤のセットで対応し、その後、協定に基づき、各避難所へ仮設トイレを順次、設置してまいります。 最後に、4点目、学校施設への井戸整備の計画はあるのかとの御質問です。 現状では、井戸整備の計画は策定していませんが、生活用水となる水の確保には有効な手段だと考えられますので、今後、導入について検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 坂本建設局長。  〔建設局長坂本安廣君登壇〕 ◎建設局長(坂本安廣君) 10番中谷議員の再質問にお答えします。 防災行政についての御質問で、現在の学校施設等における公共下水道直結型仮設トイレの設置はどうなっているのか、また、今後の計画についての御質問です。 公共下水道直結型仮設トイレ、いわゆるマンホールトイレにつきましては、平成26年度末で公園、小中学校、高等学校等に18カ所、220基の設置を完了し、平成27年度は明和中学校初め4カ所、65基を設置します。 今後の計画につきましては、平成31年度末までの4カ年で19カ所、240基の設置を予定し、今年度分も含めまして、合計で41カ所、525基の整備を計画しています。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 原教育長。  〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 10番中谷議員の再質問にお答えします。 教育行政について、国語力育成を通じた学力向上に関して、本市の中学校においても、みずからを律し、生き方を考え宣言する立志式に取り組んではどうかとの御質問です。 自分の意見を表明できるようにするには、自分を振り返り、自分の生き方を見詰める時間を持たなければなりません。また、自分の思いを他人に正しく伝えられる力を持たなければなりません。 本市では、中学生が家族や学校、地域社会の中で感じたこと、日ごろから考えていることや思っていること、将来の夢などを自分の言葉でまとめ、発表する少年メッセージの大会が開かれています。深い思索の後、自信を持って力強く発表されるメッセージには、中学生の強い意志が感じられます。 また、市内の全中学校では、2年生を中心に職場体験学習が行われています。地域の多くの方々との出会いを通じて、仕事の喜びや苦労、工夫について学び、正しい勤労観、職業観を育む貴重な学習の場になっています。体験学習後には報告文の作成、グループ発表会等を開催していますが、自分の将来についての意見表明の場として、そのあり方を広げていくことも可能であると考えます。 議員御指摘の立志式については、生徒が大人に向かう人生の節目を意識し、3年生の進路選択を控えた時期に1人の人間として志を立て、人生の指針と強い意志を表明し、前向きに自己の将来を設計しようとする意義ある活動であると考えますので、中学校長会を通じて各校に紹介してまいります。 以上でございます。 ○議長(尾崎方哉君) 10番。  〔10番中谷謙二君登壇〕(拍手) ◆10番(中谷謙二君) 御答弁いただきありがとうございました。 自動的にJアラートの情報を館内一斉に放送することは不可能とのことですが、もし館内一斉に周知するのならば、戸別受信機を受信し、誰かが放送室に行って放送するというそういうイメージなので、タイムラグが生じると考えます。Jアラートは1秒でも早く避難を呼びかけるシステムなので、ぜひとも公共施設における戸別受信機と放送設備の連動によって自動放送が流れるように強く要望いたします。 また、災害時の水の確保は困難であります。行政井戸、協力井戸登録制度もそうですが、さまざまな取り組みによって飲料水、生活用水を備えておかなければならないので、速やかに取り組んでいただきたいです。 最後に、プールに災害用緊急浄水装置を設置している小学校が本市に3校あります。緊急浄水装置はプールの水を緊急時の飲料水として利用するシステムであり、例で挙げますと2,500人の方が1日3リットルの飲料水と計算しても36日分はプールの水で賄える、停電しても装備の発電機で作動させることができる、このような災害用緊急浄水装置を設置いただきたいと要望いたします。 次に、立志式について、中学校長会を通じて各校に立志式を紹介してまいりたいとのことですが、みずから考え、判断し、表現する学びの場になり、自分の将来を考えるすばらしいきっかけになると思いますので、強くお願い申し上げます。 国語力は、継続して何かに取り組んで伸ばすものです。一朝一夕で向上するものではないのです。東京の世田谷区や佐賀の鳥栖市では、独自に作成した教科書を使い、小学校、中学校の授業に「日本語」を取り入れております。小中一貫教育の鳥栖市の教科書を見させていただきましたが、従来の小学校1年生の教科書のように読みやすい、易しい言葉を掲載しているのではなく、後に身になる言葉や論語、短歌、俳句、礼儀作法等が掲載されており、小学校1年生から中学校3年生の9年間にわたり音読、素読での学びも取り組むそうです。国語力育成により語彙力、みずから考える力、判断する力、表現する力が向上すると考えます。本市もより研究を深めていただき、よりよい和歌山市の教育をつくっていただくことを強くお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(尾崎方哉君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明11月28日、明後日11月29日の2日間は休会とし、11月30日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(尾崎方哉君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。     午後2時13分延会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    尾崎方哉 副議長   松井紀博 議員    戸田正人 議員    井上直樹 議員    中尾友紀...